理事長所信

第64代理事長幸坂伯文
与えられている自分の命 自分の命があることで
誰かの役に立つことができるのか 誰かを救うことができるのか 
“自分の命をどのように使うのか”これを見つけることが
生かされている本来の意味を知ることだと
新しく始まった一日 気を引き締めて、感謝して
今自分が役に立てること 目の前の課題に挑戦すること
家族を愛すること 仲間を愛すること 地域を愛すること
明るい未来のために生きること それこそが人としての使命であります

はじめに

 自分の人生を考える前に、まず、自分自身が「何をすべきか」ではなく、「どんな存在であるか」を知ることが大切です。多くの人は、人生の目的を考えるとき、学歴、職歴、地位、生活環境などを基に、自分は「何をできるのか」から考察しがちです。しかしそれ以前に大切なのは、自分がどのような存在であるかを正しく認識することです。つまり、人の本質は「何をしているか」「何をするか」ではなく、自分自身が「どんな存在であるか」なのです。自分中心に考えているリーダーは、真のリーダーとは言えません。人は他の人を幸福にすることで幸福を感じる生き物です。また、真のリーダーは、自分の周囲の人を成功に導くことを考えます。自分の人生の目的と思っていることが、最終的に自分自身の地位や名声のみにつながり、社会をより良い方向へ変革していかないのであれば、その目的は本来の目的ではありません。
 この能代山本の地では青年会議所の先輩達が地域を愛し、創設以来「明るい豊かな社会」の実現を目指して、若き情熱と弛まぬ努力で脈々と青年の運動が受け継がれてきました。そして、「共に向上し合い、社会に貢献しよう」という理念を基に能代青年会議所の設立に至りました。それは、積極的変化と理想的なまちを創り出すこと、地域社会の発展に寄与していこうとする青年としての熱きエネルギーでありました。
 今この国はまさに岐路に立っている時であると言えます。そして現代の日本を取り巻く環境は、混沌とした経済情勢や社会環境にあって、物質的な豊かさを追求してきたあまり、人と人とのつながりが希薄化し「自分さえ良ければいい」、「今が楽しければいい」というような刹那的な生き方をする人々が増えてきています。
 しかし、2011年3月には東日本大震災という国難とも言える大災害が起こりましたが、あれだけの厳しい状況下でありながら、互いに助け合い励まし合う人々の姿や被災地に支援の手を差し伸べる連帯感などは、日本人の秩序ある精神性を再確認するとともに、失いかけていた日本人として誇りを思い起こす機会となりました。現在、私たちの地域においても先送りできない社会問題や急速に解決しなければならない課題を多く抱えています。次の世代に心豊かな地域社会を残していくためには、私たち責任世代が、これらの課題と真摯に向き合い、決して目を背けることなく自分の問題として捉え行動していかなければなりません。今まさに、若き情熱で時代を切り開いてきた利他の精神が宿る青年会議所運動の必要性が問われている時であります。

地域に必要とされる組織づくり

 地域に根差した社会活動を標榜する青年会議所にとって、これまで以上に事業が公の利益に合致しているのかという視点をもって、その目的や期待する費用対効果をしっかりと精査し最大限の効果を生み出せるよう活動していくことが大切です。その上で規律正しい運営を行い、地域からの信頼と負託に応えうる組織とならなくてはいけません。それが延いては私たちの行う運動に対する信頼度を高め、事業の効果を更に高めていくことに繋がっていきます。
 加えて、昨今の環境の変化に対応できる会議体制の充実も大切な要素であります。会議の効率化を図りながらも、一人ひとりが運営の責任感を持ち、目的意識が高く活発な議論が展開出来る環境を築いていきます。混迷の時代にこそ積極的変化が必要であり、そしてその効果をしっかりとフィードバックし検証することが大切です。自己満足に陥ることなく様々な角度からの検証を重ねることで、より我々の事業の精度は高まっていくでしょう。
 また、より広く様々な人々に私たちの運動を伝えられるよう、時代に即した効率の良い情報発信を行わねばなりません。近年の通信技術の進歩はめざましく、次々と新たな情報伝達手段が生み出されております。既存の広報手段の効果を再検証し、様々な情報伝達手段を効率的かつ有効に活用することが重要です。単に義務的な情報発信に陥ることなく、情報の持つ意味を十分に理解し、どうすればより効果的な情報発信が出来るのかを考え実行することで、私たちの運動の効果を最大化していきます。
 更に、東日本大震災以降、青年会議所の運動の中で、地域の防災力を高めて行こうとする取り組みがあります。被災地においては、様々な支援活動や復旧事業が行われておりますが、日々変化する社会情勢において、震災の記憶や悲惨さというものは風化されているように感じられます。災害は被災した当事者の方々のみに強いられた事象ではなく、日本国民全体に掛かるものであります。また、震災についての知識を深めることは防災へとつながり、地域内の連携があれば地域の防災力は向上するものと考えます。そこで、行政、一般市民が集い震災についての知識を深め、私たち青年会議所も連係を図ることが必要であると考えます。
 災害に立ち向かうためには、行政の対応だけでは限界があります。大規模な災害に備えるために、自分や家族を守り災害に備える「自助」、地域や企業が共同して助け合う「共助」、行政が市民や事業者の安全を確保する「公助」の三者がお互いに協力し合い、地域防災力の向上を図り、災害に強いまちづくりを目指す必要があります。そこで、私たちの防災意識を低下させることなく、いつ何があっても冷静に対応できる様に災害に対する意識を高める必要があると考えます。また、地域における「助け合いの仕組み」を再確認する場を作ることにより、より強固な地域防災力を得ること出来ます。地域防災における「助け合いの仕組み」を再確認することにより、災害発生時に、地域住民の安否確認や救出、避難誘導を少しでも早く出来るように、事前に地域で話し合い、「助け合いの仕組み」を確立することを目指します。

歴史と絆を活かし現在と未来をつなぐ

 1952年の創立以降、「明るい豊かな社会」の実現に向けた数多くの事業が展開され、連綿と受け継がれてきた誇りや想い、そして輝かしい歴史と古き良き伝統の上に今日の私たちが存在しています。能代青年会議所は、64年の永きに渡り様々な活動を通じて地域と共に歩んできました。しかし現在では、自らの団体の生い立ちや展開してきた運動を知らない会員もおります。

 そこで、これまでの地域との歩みを振り返り、現役会員が先達の想いを受け止めた上で、今後何をすべきで、また何ができるのかについて一人ひとりが考える機会とし、次年度に行う65周年に向け、会員の想いを一つに結集させます。また65周年記念式典の円滑な実施に繋げるための検証や準備を重ね、更にはより地域に根差した活動を基に地域との絆を深めるような周年事業を考えて行きます。 これらの活動を通じ、新入会員も含めた全会員が能代青年会議所の歴史に誇りを持ち、今後も地域、そして会員同士の「和」を育めるような事業を行うことで、会員の意識改革に取り組んで参ります。
 改めて、65年の思いを継承していくために先輩達のこれまで培ってこられた歴史をしっかりと振り返ります。そして記念すべき65周年にむけて、現役会員とシニアの先輩会員とで創立65周年を盛大に祝い、喜びを分かち合えるよう準備を進めて参ります。JC三信条にある通り、私達の運動は若い人々が集まり自己啓発や修練を行う場であり、またそれにより培われた力を用いて、地域社会へ奉仕することであります。その「修練」「奉仕」を支える力となるのが会員同士を紡ぐ「友情」です。その解釈をもってすれば、会員一人ひとりが自覚と責任を持つことでJC運動に邁進することができ、そして仲間との共助によって志を同じくし、素晴らしい創立記念の日を迎えることができます。次の70周年に向けて、諸先輩方への尊敬の念と明るい豊かな社会の実現に向けた高い志をもって、歩みを進めていきます。

理想に向かって挑戦する自律心を育てる

 能代青年会議所が青年団体としての価値を持ち続けるためには、時代の流れを読み、先駆けた運動を展開し続けることが求められます。その運動を行うためにも団体としての力、即ち会員を拡大していくことが必要不可欠です。そのことに全会員が危機感を持ち、積極的に、そして計画的に会員を拡大していかなければなりません。会員拡大は人を入れることそれ自体が目的ではなく、地域に対して行う事業、あるいは事業を通じて「地域のために」という熱い思いに魅力を感じ、同世代として我々の活動に共感を得ていくことが肝要です。一人ひとりの個の姿勢を見て頂くことこそが、青年会議所活動そのものだと言えます。そして会員一人ひとりが広告塔となればより良い成果が得られると考えます。
 JAYCEEが憧れの対象となるには、私たち自身が自己を高めること、そして自律心を持たなければなりません。「自律」とは、自分で物事の是非善悪を判断して自分の行動を自発的に規律するとか、外部の他者や罰則によって強制されなくても自分で自分を正しい方向に導くというような意味合いもあります。青年会議所活動とは活動そのものが学び場で、自分を成長させる場であります。20歳から40歳までという年齢制限があるため、できる時に最大限にJCを活用してまいりましょう。成果をあげるためには、自らの果たすべき貢献を考えなければなりません。そして、人にせよ組織にせよ、果たすべき貢献を考えることによって成長します。自らを奮い立たせ、向上心を発揚させようではありませんか。コミュニケーション力を高め、広く社会と関わることは、人間としての魅力の醸成にもつながります。
 そして能代青年会議所の名に相応しいメンバーとして、私たち一人ひとりが、組織を代表しているのだという気概を忘れてはなりません。私たちが模範となり、自律心を持って自ら考え行動を起こすことで多くの新たな仲間が増え、更に輝きを放ちます。延いては未来の子供たちのために、「輝く地域」を創造するのです。多くの青年に素晴らしさを伝え、一人でも多くの人と夢を語り、共鳴し合えることで素晴らしい未来へとつながります。JAYCEEとして、その素晴らしさを伝えられるようになりましょう。

地域と協働して行う、次世代育成事業

 時代が進み、生活が豊かになり、本来満足することが、逆に当たり前であることが多くなり、我慢や辛抱といったことが出来にくい世の中になりました。また、ネット環境が当たり前になり、コミュニケーションの方法が多様化し、人との繋がりを難しく感じるようにもなってきました。また、子ども達の家庭環境も変化してきました。また、物が豊かになり与えるものは裕福なものが多い反面、目に見えない深い愛情を与える事が少なくなってきました。この時代に生まれた子ども達には何が必要なのでしょうか。人と人との繋がりが希薄になったのではなく、社会から愛情を与えられて育つ子どもが少なくなったのです。子ども達に必要なのは、愛情を与えてくれる大人と、子どもらしく伸び伸び成長できる環境であります。
 次世代育成においては、家庭・学校・地域が連携した「夢と志を育む教育」に主体をおき運動していきます。自分の将来に大きな夢と志を抱き、そして道徳心や思いやりの心を持ち、無限の可能性へとがむしゃらに笑顔で挑戦する、そのような次世代の育成が将来の地域のみならず日本の未来には必要です。
 子ども達は地域の宝の原石です。私達は、事業を通じて親子の絆を深め、理想の家庭環境をつくる機会を与える事が出来ます。また、地域の魅力を通じて事業を構築することにより郷土愛を育むこともできます。そのような機会が、次世代を担う地域の子ども達の生きる力を養い、私達と同じ地域を心から愛する人間に成長し、いずれ地域活性の原動力となっていきます。単年度運営である以上、一年間で結果を出すことだけに急がず、今まで積み重ねてきた青年会議所の運動をさらに熟成させて行動することが大切です。このような事業をこれからも1歩ずつ積み重ねて行くことにより青年会議所の運動が地域にとっての宝となっていきます。
 今まで我々が学んできた人と人との繋がりの中で学ぶ思いやりや命の大切さ、子どもとしての本質的な生き方や生きる喜びを様々な体験事業により伝えていきます。また、子育て世代の我々だから、自らを見つめ直し、心の教育を学び、家庭教育の大切さを身につけ、同世代の親や地域に対して広く伝えることにも取り組みます。次代に輝く子ども達のために、家庭・学校・地域が互いに助け、支え、教え、学び、育みあう「共育」のもと、地域と市民が手を携えて「協働」しながら、「夢と志を育む次世代育成事業」を実践します。

多面的ネットワークの構築による地域コミュニティの再生

 住民主体の地域づくりを進めるためには、地域コミュニティを活性化させ、住民と行政の協働を進めることにより、防犯・防災対策や子育て支援・高齢者支援など、かつて地域集落が果たしてきた相互扶助による地域の課題を解決する機能を強化する必要があります。人々が共有する空間や人とのつながりである地域コミュニティの活性化を図るためには、地域団体の行動が高まること、また、地域団体どうしの連携が強化されること、さらに、様々な組織による社会的活動が活発に行われることも必要です。しかし、近年少子高齢化、都市化の進展や個人の意識の変化の中で、多くの地域団体が加入者の減少やリーダーの固定化など、様々な課題を抱えています。その中で地域住民に地域共同体意識を喚起してもらうことは難しい状況にあります。そういった状況において、地域に関心を持つ住民や地域団体の活動をさらに活性化させることと、地域に無関心な住民に対しても地域の課題を伝え、関心を持ってもらう二つの視点で社会教育の充実を図り、地域住民の連帯感の醸成や地域自治意識の啓発など、地域の絆づくりを推進していきたいと考えます。
 能代青年会議所では、2009年から継続して行ってきた「白神かかし」事業があります。地域コミュニティの象徴となることを目的として立ち上げた事業であり、今年で7年目となる継続事業です。この「白神かかし」事業の終着点は、地域住民同士の連帯感を醸成させることだけでなく、私ども青年会議所の活動方針へとつながることです。私たちだけでなく地域住民全ての人々が願う「明るい豊かなまちの実現」という想いを「白神かかし」に込め、地域に定着し愛されるキャラクターになっていくことを願います。やがて「白神かかし」に込められた願いは私たち能代青年会議所の活動方針を定めるための精神を宿し、共有し得る意識となります。「白神かかし」事業の本枠は従来から継承されてきた能代山本地域の文化や歴史、自然環境や生活環境、人を思いやる心を再認識し、かつて先輩達が提言してきたビジョンをも取り入れていくことにあります。今後のまちづくりへと踏み出す新たな一歩となり、継続的な事業展開を進めて行きます。

結びに

 私は2006年に能代青年会議所の門をたたきました。先輩の後を追いかけ無我夢中で力を注いできました。入会した当初は、地域のことをあまり考えずに自分勝手だった自分が、いつの間にか地域のことを考える人間になれたのは青年会議所があったからです。先輩達やメンバー、私を取り巻くこれまでのすべてのつながりの中で多くの学びや経験を得てきたことによって自分が少しずつ変わってきました。これこそが魅力であると私は言えます。
 しかしながら、魅力を見いだせないメンバーも少なからずいるのも事実です。これは青年会議所自体に魅力がないのではなく青年会議所の魅力に気付いていないだけだと私は考えます。青年会議所は、たくさんの素晴らしい可能性があり「明るい豊かな社会」実現のために、真摯に向き合い、情熱を傾け運動をしている唯一無二の団体です。私は、自己成長を伴い、「明日のために何をすべきか」を常に考え、その本質を見失わずに「正しく意義のある」運動を起こせば「地域は変わる」と信じます。そして、能代青年会議所に入会してからの8年間の歩みの中で、先輩達より連綿と受け継がれてきた創始の精神と歴史をしっかりと継承しながら活動して参ります。そのために自己を律し、地域との絆、メンバーとの絆を大切にしながら、「この地域に住んで本当に良かった」「この地に生まれて良かった」と思ってもらえるような「心豊かな地域」の実現を目指して2015年度も力強い運動を行います。時代の変遷とともに「地域の人の心を変え」「この地域を変え」「この国までも変える」。
 今こそ、我々青年が新たな道を切り拓いていかなければならないのです。
 私はJAYCEEの輝きが、必ずや地域を輝かせると信じます。

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