理事長所信

第65代理事長佐々木暁

はじめに

 「限界を定めてはならない、人に感動を与え続けない限り、成長することはできない」
これは、青年会議所へ入会する前、尊敬する方から言われた言葉です。会社を設立して順風満帆に見られていた3年目、軌道に乗っているのか半信半疑のなか、先行き不透明な将来への不安を抱いていた。一人の経済人として、また一人の人間として、どうあるべきか自問自答しながら言葉の意味を見出そうとしていた。そんな折、誘われたのが青年会議所でした。どのような組織で、どのような活動をしているのか知る由もなく入会を決意しました。動機は不純でありながら確信していたことは自分にとって必要な場所であるということでした。

―もっとやれば、もっとできる―
やりたいと思っているのに、行動していないことはないでしょうか。それはとてつもなく大きな目標ではないはず、できるかを問うことではなく、このようにやってみたいと思っていることではないでしょうか。

―成長しよう、かけがえのない仲間と共に、65年の時を刻もう―
人は感動を重ねるごとに成長し、その感動には必ず誰かが存在している。成長するためには人との出会いが大切であり、その出会いを多く与えてくれるのが青年会議所であります。

―今しかない、とにかく今、駆け抜けよう―
私たちが与えられた人生の時間は、本当にわずかなもので、それは紛れもない真実であります。今すぐやろう、青年会議所という限られた時間で、最高の舞台で最高のパフォーマンスを発揮しよう。それこそが真の青年経済人として歩むべき道である。共に伝統ある青年会議所を盛り上げていこう、すべての境遇はチャンスしかない。

65年の歳月を向かえて

「地域の未来は、我々青年の行動にかかっている」
1951年、熱い思いを持った先輩諸兄が「明るい豊かな社会の実現」を共通理念とし能代青年会議所を創立しました。それから65年、多くの先輩諸兄の皆様が地域のために英知と勇気と情熱を注ぎ、素晴らしい歴史や伝統、そして繋がりを築いてこられました。
その背景には、この地域を想い、郷土の「まちづくり」「ひとづくり」のために、強き信念をもって行動してきたからです。この想いを途絶えることなく未来へ伝播することが、現役世代の大きな担いであります。これまで青年会議所へ関わってくれたすべての方々に心からの敬意と感謝の気持ちを表し、想いの連鎖を分かち合いメンバー一人ひとりが自分の在り方に向き合う機会を提供します。地域のことを我が事とする信念をもって、青年らしく柔軟な発想で血気盛んに運動を展開していきます。時代や社会情勢は目まぐるしく変化を遂げていますが決して悪いことだけではなく、この流れを契機と捉え地に足をつけ歩みを進めて行かなければなりません。65周年の現役メンバーとし誇りと情熱をもって、自己修練を惜しまず市民の意識を変革する先導者となって、地域にJC運動を浸透させ次代に繋がる爪痕を残すことをお誓い致します。

未来志向な魅力ある組織

 現会員の中でJC運動の魅力を理解する者はどれだけいるだろうか。その良否を問うことではなく、運動に向き合い自分自身に有益になるよう利用すべきであり、自分に還元されぬまま無駄に終えるのは実にもったいない。この組織がもたらす機会を最大限有効活用して、脈々と連なるその使命と重要性を改めて自覚し、メンバー間の相互理解と絆を深めながら会員の資質を高める必要があります。また、己を律した行動を徹底していくことで、信頼の獲得に繋がり地域市民と共にまちづくりを行っていく基礎ができます。全会員が地域のリーダーたる能力を身に付けられるように、組織運営を強化していかなければならない。一人の人間としての力には限界があります。置かれている立場や知識において各々のできることに差はあっても、組織として然るべき役割を果たすことができるはずです。

責任世代の大きな担い

 「我々に課せられた使命とは何であろうか」
数年前、テレビを見ていると小学生が将来についてインタビューを受けており、その子が発する言葉に大きな衝撃を覚えました。「大人になりたくない」この言葉に隠された意味とは何でしょうか。この言葉には、すべての大人世代に対する警告と責任の重さを感じました。時に大人達は自らの人生観を押し付け、子ども達の可能性を引き出すことなく無責任な言動で自らを正当化しようとしている。我々は今を生きる青年経済人であると同時に、子ども達を正しい方向へ導くべき責任世代であります。次世代育成で大事なのは、子ども達を地域のたからとして、みんなで大切に育てることです。大人と子どもが共に育み合い、愛情あふれるまちを創ることで、健やかに成長できる社会を創り上げることができます。地域を支えていくためにも、子ども達がどう育つか真剣に考えて自己の可能性を伸展させ豊かな未来へと導いていくことが我々に課せられた大きな担いであります。さらに、戦略的な地域経営によるまちづくりの活路を見いだし、次世代に向け地域の魅力を付加価値ある地域資源へ導くために、多くの市民と文化に関わる機会を創出します。

活力あるまちを創る

 私は、このまちに愛着と誇りをもっています。自然、歴史、伝統文化と自慢できるコンテンツを多く有していながら、その魅力やストーリーを知る由もなく、否定的な言葉を発している方も少なくありません。ともすれば、窮屈な枠の中で物事を捉えているのかもしれません。そのような思考では心の働きも鈍くなり、自由自在な発想力や創造力を生み出すこともできない。住みゆく地域に存在する魅力を見つめ直し、地域のニーズに即した視点で、活力あふれるまちを創っていかなければなりません。少しでも今までと違うことをするには抵抗があります。同じ発想で物事を捉えていても新しいことを生み出すこともできず、いずれ変化を求められる時がきます。愛すべき郷土の発展に柔軟な思想をもって、新しい観点から未来に繋がる一歩を踏み出すことが求められているのです。

仲間という存在のあり方

 「会員一人ひとりが胸を張って青年会議所運動を行っているだろうか」
青年会議所運動の魅力とし、目的を達成するために注がれた気持ちが強ければ強いほど、そこで得る結果は大きなものとなり、そのプロセスは尊いものとなる。一人で何かを成し遂げるには限度があり、主義主張を取り下げ妥協してしまう傾向にあるのは人間特有の感情である。誰かのため、仲間のためであるならば、揺るがない気概と覚悟をもって、潜在的な能力を引き出すことができる。その関連性を得ることができるのが青年会議所であり組織がもつ魅力であると感じる。移り変わる時代背景があるにせよ年々減少する会員数、先輩諸兄が紡いできた伝統と歴史を次代へ継承するために、欠かすことのできない会員拡大運動を全会員が意識統一して取り組まなければならない。大切なのは目的であって組織の存続や会員集めを目的とするならば、果たして会員は増えていくだろうか。我々が展開する運動の先にある魅力を明確に持たない限り、人に伝えることもできなければ、人を惹きつけることもできない。会員一人ひとりが組織の持つ魅力を明確にして、自主独立の信念をもって会員拡大運動を遂行していかなければならない。個々の持つ信念が結びつくことで、組織としての存在価値を見いだし存在意義を保ち続けることに繋がっていく。一人では困難であることも、志を同じくする仲間がいれば、勇気と活力がわき多少の困難もあきらめることなくやり遂げることができる。

おわりに

 能代青年会議所へ入会し5年目を向かえる今、入会当初に比べ社会との関わりや考え方が大きく変わってきました。それは、成長を意味することであると自負し、これからも絶えず追及していかなければならないと感じている。40歳までの限られた期間、JC運動を通じ地域のために、妥協することなく歩み続けなければならない。平坦な道は、自らが生み出した道であり決して魅力的なものではない。我々は常に向上心をもって青年らしく果敢に挑戦していかなければならない。「もっとやれば、もっとできる」をスローガンに、組織のリーダーとし誇りと気概をもってメンバーを牽引していきます。すべてにおいて誰もが完璧ではなく、時には心変わりや気変わりはあるかもしれない。しかし、覚悟だけは変わらず持ち続けなければなりません。三信条である「奉仕、修練、友情」の意味を追及し、「明るい豊かな社会の実現」に向け、信念をもってJC運動を展開していきます。この地域に必要とされ、活気に満ち溢れた地域へ導く貴重な存在とし、すべてのメンバーと肩をならべ勇往邁進して参ります。

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